「紅白」は白い地体に赤い模様が入るのが特徴で、「紅白」を基礎にさまざまな品種が誕生したと言われています。体色は白色と赤色というシンプルな配色ながら、とても奥が深く「紅白にはじまり紅白に終わる」とまで言われるほどです。
白地はより白く、赤は濃くて明るいものが良いとされ、白地と赤い模様の境目（キワ）がはっきりしたものが優秀品とされます。模様は二段・三段・稲妻・丸天と言ったさまざまなバリエーションがあります。

JAS番号2001 紅白

地肌の色が白（以下“白地”という。）であって，赤又はべにひ（紅緋）の斑紋（以下“ひばん（緋斑）”という。）があるもの。

「紅白」の色に「大正三色」の特徴である漆墨（うるしずみ）と言われる墨の模様が入ったもので、地肌の白、赤い模様、黒い墨模様の３つの色と、大正時代の初めに作り出されたことから「大正三色」と名付けられました。
紅白の模様を基本に、ツヤのある墨が体全体にバランスよく配置されたものが理想的とされています。

JAS番号2002 大正三色

白地であって，緋斑及び黒の斑紋があるもの。

「昭和三色」は、黒の地肌に由来する連続した形状の写り墨（うつりずみ）を持っているのが特徴で、昭和時代の初めに作られたことから「昭和三色」と名付けられました。
腹から背にかけて豪快に巻き上がる墨と、顔を真っ二つに割る様な面割れ（めんわれ）模様の墨が入るものが良いとされています。
頭部には鉢巻き模様の墨が出やすく、胸びれの付け根にはまとまった墨を持つ特徴があります。

JAS番号2003 昭和三色

地肌の色は黒（以下“黒地”という。）であって，緋斑及び白の斑紋があるもの。原則として胸びれの付け根は黒地のものであるが，成長の過程で，白地から黒地になるものもいる。斑紋が現れていない連続した黒地部分（以下“写り墨”という。）を有する。

「白写り」は「昭和三色」と同様に、連続した形状の写り墨（うつりずみ）を持つ品種になります。体色は白色と黒色のモノトーンで、赤い模様が入らないのが特徴になります。後に紹介する「白べっ甲」と外見上は似ていますが、墨の性質が異なり、「昭和三色」から赤を除いたものを「白写り」、「大正三色」から赤を除いたものを「白べっ甲」と覚えるとわかりやすいです。
白の斑紋はより白く、墨は頭から尾にかけてバランスよく豪快に巻き上がるように入るものが良いとされています。

JAS番号2004 白写り

黒地であって，白の斑紋があるもの。写り墨を有する。べっ甲と似ているが，黒地であることから判別可能である。

「五色」は「浅黄」と「大正三色」の交配によって作られ、「浅黄」の青と濃紺、「大正三色」の白・赤・黒の５つの色に由来するため「五色」と名付けられました。今ではこの５つの色に関係なく、白地に浅黄地を持ち赤い模様があるものを「五色」と呼んでいます。また、色の出方によって「豆絞り五色」「黒五色」「五色三色」「五色昭和」などと言われます。
全身に均一な黒や青白い浅黄地をもち、赤い模様は黒く汚れてなく、コントラストがはっきりしているものが良いとされています。

JAS番号2005 五色

頭部を除き，藍色又は水色で，うろこの配列により背部全体に網目模様を有し（以下“浅黄地”という。），背部に緋斑があるもの。緋斑に藍色又は水色が入るものと入らないものがある。黒い斑紋があるものもいる。衣と似ているが，浅黄地であることから判別可能である。

大正三色の外観状の特性を有するもののうち，浅黄地の模様があるもの。緋斑に藍色又は水色が入るものと入らないものがある。

昭和三色の外観状の特性を有するもののうち，浅黄地の模様があるもの。緋斑に藍色又は水色が入るものと入らないものがある。

「Ａ銀鱗」は御三家（紅白・大正三色・昭和三色）のうろこが光るものを総称した呼び名になります。銀鱗はうろこの部分だけが光るように改良され、金色もしくは銀色に輝くものを指します。「銀鱗紅白」「銀鱗大正三色」「銀鱗昭和三色」といった品種があり、そのなかでも特に光りの強いものを「ダイヤ銀鱗」、鱗の中心部が丸く輝くものは「パール銀鱗」と呼ばれています。
光り輝く銀鱗が体全体にきれいに並び、光りが強く出ているものが良いとされています。

JAS番号2006 Ａ銀鱗

うろこが金色（緋斑部分等）又は銀色（白地部分等）に光り輝くもののうち，紅白，大正三色又は昭和三色の外観上の特性を有するもの。

うろこが金色又は銀色に光り輝くもののうち，紅白の外観上の特性を有するもの。

うろこの中心部が丸い形状で金色又は銀色に光り輝くもののうち，紅白の外観上の特性を有するもの。

うろこが金色又は銀色に光り輝くもののうち，大正三色の外観上の特性を有するもの。

うろこの中心部が丸い形状で金色又は銀色に光り輝くもののうち，大正三色の外観上の特性を有するもの。

うろこが金色又は銀色に光り輝くもののうち，昭和三色の外観上の特性を有するもの。

「Ｂ銀鱗」は御三家以外の品種で、うろこが光るものを総称した呼び名になります。「銀鱗白写り」「銀鱗五色」「銀鱗浅黄」「銀鱗落葉」などの品種があり、「光り模様」とならぶ錦鯉の華やかさを代表する品種になります。
「Ａ銀鱗」と同様に光り輝く銀鱗が体全体にきれいに並び、光りが強く出ているものが良いとされています。

JAS番号2007 Ｂ銀鱗

うろこが金色（緋斑部分等）又は銀色（白地部分等）に光り輝くもののうち，A銀鱗に該当しないもの。

うろこが金色又は銀色に光り輝くもののうち，桜黄金の外観上の特性を有するもの。

うろこが金色又は銀色に光り輝くもののうち，金昭和の外観上の特性を有するもの。

うろこが銀色に光り輝くもののうち，白写りの外観上の特性を有するもの。

うろこが金色又は銀色に光り輝くもののうち，五色の外観上の特性を有するもの。

うろこが金色又は銀色に光り輝くもののうち，孔雀の外観上の特性を有するもの。

うろこが金色又は銀色に光り輝くもののうち，藍衣の外観上の特性を有するもの。

うろこが金色又は銀色に光り輝くもののうち，葡萄衣の外観上の特性を有するもの。

うろこが金色又は銀色に光り輝くもののうち，山吹黄金の外観上の特性を有するもの。

うろこが銀色に光り輝くもののうち，プラチナ黄金の外観上の特性を有するもの。

うろこが金色又は銀色に光り輝くもののうち，オレンジ黄金の外観上の特性を有するもの。

うろこが銀色に光り輝くもののうち，浅黄の外観上の特性を有するもの。

白地であって，うろこが銀色に光り輝くもののうち，腹部に赤い斑紋を有するもの。

うろこが銀色に光り輝くもののうち，白べっ甲の外観上の特性を有するもの。

うろこが金色又は銀色に光り輝くもののうち，緋写りの外観上の特性を有するもの。

うろこが金色又は銀色に光り輝くもののうち，黄写りの外観上の特性を有するもの。

うろこが金色又は銀色に光り輝くもののうち，赤無地の外観上の特性を有するもの。

うろこが銀色に光り輝くもののうち，白無地の外観上の特性を有するもの。

うろこが金色又は銀色に光り輝くもののうち，黄鯉の外観上の特性を有するもの。

うろこが金色又は銀色に光り輝くもののうち，茶鯉の外観上の特性を有するもの。

うろこが金色又は銀色に光り輝くもののうち，空鯉の外観上の特性を有するもの。

うろこが金色又は銀色に光り輝くもののうち，からし鯉の外観上の特性を有するもの。

うろこが金色又は銀色に光り輝くもののうち，赤松葉の外観上の特性を有するもの。

うろこが金色又は銀色に光り輝くもののうち，黄松葉の外観上の特性を有するもの。

うろこが銀色に光り輝くもののうち，羽白の外観上の特性を有するもの。

うろこが金色又は銀色に光り輝くもののうち，落葉しぐれの外観上の特性を有するもの。

白地であって，鱗の一部が赤色に染まり，点状の模様をもつもの。緋斑をもつものと，もたないものがある。

大正三色の外観上の特性を有するもののうち，鱗の一部が赤色に染まり，点状の模様をもつもの。

昭和三色の外観上の特性を有するもののうち，鱗の一部が赤色に染まり，点状の模様をもつもの。

浅黄の外観上の特性を有するもののうち，鱗の一部が赤色に染まり，点状の模様をもつもの。

黒地であって，緋斑及び白の斑紋があるもののうち，緋斑や白の斑紋に網目状の薄い墨模様を有するもの。

全身が光り輝くもののうち，鹿の子昭和の外観上の特性を有するもの。

浅黄地であって，背部に黄色の斑紋を有するもの。全身が優しく光り輝く。

黒地であって，白の斑紋があるもののうち，白の斑紋に網目状の薄い墨模様を有するもの。写り墨を有する。

黒地であって，紅緋の斑紋があるもののうち，緋斑に網目状の薄い墨模様を有するもの。写り墨を有する。

黒地であって，黄色の斑紋があるもののうち，黄色の斑紋に網目状の薄い墨模様を有するもの。写り墨を有する。

黒地であって，茶色又は赤褐色の斑紋があるもの。写り墨を有する。

胸びれが白色であって，胸びれ以外の全身が漆黒色のもの。胸びれの一部が黒色になるものもある。

緋色の模様があり，松川バケの外観上の特性を有するもの。

白と漆黒の模様が全身にあるものであって，頭部以外の全身がうろこで覆われているもの。環境の変化によって短期間のうちに漆黒の模様が頻繁に変化するすることがある。

全身のうろこが光り輝くもののうち，地肌の色は白で，浅黄地を有するもの。

全身のうろこが光り輝くもののうち，地肌の色は白で，浅黄地であり，緋斑を有するもの。

金色の斑紋があり，全身が光り輝くもののうち，うろこの一部が薄い墨色に染まり，体全体に網目状の模様を有するもの。

地肌の色が薄い水浅黄色であって，土器(かわらけ)色の斑紋があるもののうち，うろこの配列により背部全体に網目模様を有しているもの。

地肌の色が薄い水浅黄色であって，土器色及び黒色の斑紋があるもののうち，うろこの配列により背部全体に網目模様を有しているもの。写り墨を有する。

全身が光り輝くもののうち，落ち葉しぐれの外観上の特性を有するもの。

地肌の色が白地もしくは白色に近い色であって，黄色の斑紋があるもの。

背部が鶯色であるか，背部のうろこが緑色であるもののうち，地肌の色は黄色で，斑紋がないもの。

うろこが金色又は銀色に光り輝くもののうち，衣昭和の外観上の特性を有するもの。

うろこが金色又は銀色に光り輝くもののうち，全身がからし色であって，うろこの一部が赤色に染まり，点状の模様をもつもの。体の一部にからし色の斑紋をもつものもある。外見的な特徴から，一般的にゴールデンコーンと呼ばれる。

「孔雀」は「浅黄」をベースに光りと赤い模様を加えた品種で、「五色」の光りものとしてとらえることができます。鳥の孔雀が羽根を開いたときの美しさを連想させたことから「孔雀」と名付けられ、「孔雀黄金」とも呼ばれます。
体全体に金属のような光沢が輝き、うろこの網目模様がはっきりと出た地体に、赤い模様がバランスよく配置されたものが良いとされています。

JAS番号2009 孔雀

浅黄地であって，背部に緋斑があり，全身が光り輝くもの。

全身が光り輝くもののうち，紅白の外観上の特性を有するもの。プラチナ紅白とも呼ばれる。

全身が光り輝くもののうち，大正三色の外観上の特性を有するもの。

地肌の色は白色であって，体部全体にうろこがあるもののうち，金色の斑紋があり，全身が光り輝くもの。

「衣」は「紅白」の改良品種であり、赤いうろこの先端が半月状に藍色または黒く染まった品種になります。うろこの染まり方から「衣」と名付けられました。色合いによって「藍衣（あいごろも）」「葡萄衣（ぶどうごろも）」と呼ばれ、「大正三色」に藍地が入る「衣三色」や、昭和三色に藍地が入る「衣昭和」などもあります。
紅白の模様を基本に赤いうろこ一枚一枚に、均一な半月状の藍地が入っているものが良いとされています。

JAS番号2013 衣

緋斑があり，緋斑部分のうろこの先端が半月状に藍色又は黒に染まったもの。五色と似ているが，浅黄地ではないことから判別可能である。

白地であって，緋斑があり，緋斑部分のうろこの先端が半月状に藍色に染まったもの。

白地であって，赤茶色の斑紋があるもののうち，斑紋全体にブドウの房状の黒色模様が有るもの。

緋斑部分のうろこの先端が半月状に藍色に染まったもののうち，大正三色の外観状の特性を有するもの。

緋斑部分のうろこの先端が半月状に藍色に染まったもののうち，昭和三色の外観状の特性を有するもの。

白地であって，緋斑があり，緋斑部分や背部のうろこの先端が半月状に墨色に染まったもの。

「丹頂」は赤くて丸い模様が１つだけ頭部に入る品種で、鳥の丹頂鶴から「丹頂」と名付けられました。「丹頂」と言えば「丹頂紅白」を意味し、白い地体に赤い丸模様は日本国旗を連想させるため人気があります。「丹頂三色」「丹頂昭和」「丹頂五色」などバラエティーにも富んでいます。頭部に丸い模様があっても、体に模様がある場合は丹頂とはならず「丸点」や「小丸点」と呼ばれます。
赤い模様はまん丸に近く、頭部の中心に位置することが重要です。また、サイズも大きすぎず小さすぎず両目の間に収まるぐらいがちょうど良いとされています。

JAS番号2014 丹頂

頭部に円形の緋斑があるもの。ただし，円形の斑紋が緋斑以外であることがある。

うろこが銀色に光り輝くもののうち，丹頂紅白の外観上の特性を有するもの。

頭部に円形の緋斑があるもののうち，桜黄金の外観上の特性を有するもの。

頭部に円形の緋斑があるもののうち，大正三色の外観上の特性を有するもの。

頭部に円形の緋斑があるもののうち，昭和三色の外観上の特性を有するもの。

うろこが銀色に光り輝くもののうち，丹頂昭和の外観上の特性を有するもの。

頭部に円形の緋斑があるもののうち，金昭和の外観上の特性を有するもの。

頭部に円形の緋斑があるもののうち，五色の外観上の特性を有するもの。

頭部に円形の緋斑があるもののうち，孔雀の外観上の特性を有するもの。

頭部に円形の緋斑があるもののうち，落ち葉しぐれの外観上の特性を有するもの。ただし，円形の斑紋が緋斑以外であることがある。

白地であって，頭部に円形の赤茶色の斑紋があるもののうち，斑紋全体にブドウの房状の黒色模様が有るもの。

「昭和三色」や「白写り」などの写り墨（うつりずみ）を持つ品種に、「光り無地」を交配させた錦鯉を総称して「光り写り」と呼んでいます。光り輝く地体に墨のタッチを見せ、昭和三色の光りものは「金昭和」、白写りの光りものは「銀白写り」、緋写りや黄写りの光りものは「金黄写り（きんきうつり）」と呼ばれます。
「光り模様」と同様に全身の光沢度が高く、模様がバランスよくはっきりと配置し、頭から尾にかけて豪快に巻き上がる墨を持つものが良いとされています。

JAS番号2015 光り写り

黒地であって，斑紋があり，全身が光り輝くもの。写り墨を有する。

黒地であって，体部全体にうろこがあるもののうち，緋斑及び白の斑紋があり，全身が光り輝くもの。写り墨を有する。

全身が光り輝くもののうち，衣昭和の外観上の特性を有するもの。

黒地であって，体部全体にうろこがあるもののうち，白の斑紋があり，全身が光り輝くもの。写り墨を有する。

銀白写りの外観上の特性を有するもののうち，白の斑紋に網目状の薄い墨模様を有するもの。

黒地であって，体部全体にうろこがあるもののうち，金色の斑紋があり，全身が光り輝くもの。写り墨を有する。

金黄写りの外観上の特性を有するもののうち、黄色の斑紋に網目状の薄い墨模様を有するもの。

斑紋がなく，全身がうこん色又は濃い金色に光り輝き，うろこやひれ、頭部の一部の体色が黒いもの。

斑紋がなく，全身が鮮やかな赤みを帯びた黄色（山吹色）で光り輝くもの。

斑紋がなく，全身が銀灰色で光り輝くもの。

斑紋がなく，全身が赤みがかった黄色（オレンジ色）で光り輝くもの。

地肌がうこん色又は濃い金色に光り輝き，背部全体に松葉紋を有しているもの。

地肌が白銀色に光り輝き，背部全体に松葉紋を有しているもの。

地肌が赤又は朱色に光り輝き，背部全体に松葉紋を有しているもの。

地肌が金茶色に光り輝くもののうち，兜の鍬形の形のように頭部の左右が金色に光り輝く模様を有しているもの。

地肌が銀色に光り輝くもののうち，兜の鍬形の形のように頭部の左右が銀色に光り輝く模様を有しているもの。

「浅黄」は、頭部以外の体の部分が藍色や水色など青系の色に覆われ、全身のうろこに網目模様を見せる品種になります。「浅黄」は錦鯉の原種であり、多くの品種は「浅黄」をもとに品種改良されたと言われています。特に赤い模様が多いものを「緋浅黄」と呼びます。
頭部は黒っぽく濁らずきれいな白色や飴色をしていて、うろこの網目模様が整って乱れのないこと。赤い模様は腹・ヒレ・両ほほにバランスよく配置されたものが良いとされています。

JAS番号2018 浅黄

浅黄地であって，原則として腹部に緋斑があるもの。

「べっ甲」は単色の地体に、「大正三色」と同じまとまった点状の漆墨（うるしずみ）を持つ品種になります。ウミガメの甲羅（鼈甲（べっこう））に似ていることから、「べっ甲（別甲）」と名付けられました。地体の色味によって「白べっ甲」「赤べっ甲」「黄べっ甲」と呼ばれています。
胸びれの先まで色ムラなく染まった地体に、バランスよく墨模様が配置され、ジャリ墨と呼ばれる小さい飛び墨（シミ）がないものが良いとされています。

JAS番号2019 べっ甲

地肌の色は白，黄色又は赤であって，まとまった点状の黒の斑紋があるもの。白写り及び緋写り・黄写りと似ているが，黒地ではないことから判別可能である。

地肌の色は白であって，まとまった点状の黒の斑紋があるもの。

地肌の色は黄色であって，まとまった点状の黒の斑紋があるもの。

地肌の色は赤であって，まとまった点状の黒の斑紋があるもの。

「緋写り・黄写り」は、「昭和三色」や「白写り」と同様に連続した形状の写り墨（うつりずみ）を持つ品種で、赤い模様であれば「緋写り」、黄色であれば「黄写り」となります。「緋写り」は引き込まれるような魅力を、「黄写り」は淡々とした味わいを持っていると表現されます。
胸びれの先まで色ムラなく染まり、頭から尾にかけてバランスよく豪快に巻き上がる墨を持つものが良いとされています。

JAS番号2020 緋写り・黄写り

黒地であって，紅緋又は黄色の斑紋があるもの。写り墨を有する。べっ甲と似ているが，黒地であることから判別可能である。

黒地であって，紅緋の斑紋があるもの。写り墨を有する。

黒地であって，黄色の斑紋があるもの。写り墨を有する。

体に模様を持たない単色の錦鯉を総称して「無地」と呼んでいます。代表的な品種として、地体の黄色い「からし鯉」や真っ赤な「赤無地」、渋い茶色の「茶鯉」、真っ白な「白無地」などがあります。特に大型化する「からし鯉」は、１ｍ超えも珍しくなく、品評会での活躍も目覚ましいものとなっています。うろこ一枚一枚が黒く色づく「松葉系」も「無地」に含まれ、「赤松葉」や「黄松葉」などがあります。
胸ビレの先まで色ムラなく染まり、体型の良い鯉が評価されます。

JAS番号2021 無地

斑紋がないもの。

斑紋がなく，全身が赤色のもの。

眼の瞳孔内の色が赤であって，赤無地の外観上の特性を有するもの。

斑紋がなく，全身が白色のもの。

眼の瞳孔内の色が赤であって，白無地の外観上の特性を有するもの。

斑紋がなく，全身が黄色のもの。

眼の瞳孔内の色が赤であって，黄鯉の外観上の特性を有するもの。

斑紋がなく，全身が茶色のもの。

斑紋がなく，全身が淡い青ねず色のもの。

斑紋がなく，全身がからし色のもの。

斑紋がなく，全身が漆黒色のもの。胸びれの先端が白色のものもある。

地肌の色が赤色であって，黒色部があるうろこの配列により背部全体に松葉紋を有しているもの。

地肌の色が黄色であって，背部全体に松葉紋を有しているもの。