動物用抗生物質のエンロフロキサシン(商品名バイトリル10%液)、ジフロキサシン(商品名ベテキノン25%可溶散)を使用する場合薬量は、1日につき魚体重1㎏当たり、バイトリル10%液では0.05~0.1ミリリットル、ベテキノン25%では0.02gを、通常投与するペレット等餌量の80~50%の餌量に吸着させるが、薬量が少ない場合にはバイトリルでは餌量の10%程度になるように水道水で希釈、ベテキノンでは餌量の10%の水道水に溶かし、霧吹き等で餌料に吸着、乾燥させる。紫外線で分解されるので、乾燥は涼しく日光が当たらない室内で行い、乾燥後は投与時の薬剤の流失を防ぐため、餌料の表面をフードオイル等でコーティングしたほうが良い。5~7日間投与する。
[飼育尾数1000尾、平均体重100g、1日当たりの通常の給餌量2㎏の場合の投薬例]
1日当たりの薬量の算出法
総魚体重=飼育尾数×平均体重(㎏)=1000×0.1=100(㎏)
バイトリル10%の薬量=総魚体重(㎏)×0.05~0.1(ミリリットル)=100×0.05~0.1=5~10(ミリリットル)
ベテキノン25%の薬量=総魚体重(㎏)×0.02(g)=100×0.02=2(g)
1日当たりの餌量は通常の50%とすると…1㎏
希釈または溶解する水の量=餌量の10%=1㎏×0.1=100(ミリリットル)
以上の計算から100ミリリットルの水に5~10ミリリットルのバイトリル液、または2gのベテキノンを加えて撹拌、希釈したものを霧吹き等で1㎏の餌にむらなく吸着させてから乾燥させる。
1日分を前日に作って翌日投与することが望ましい。
水産用フロルフェニコール2%液剤(商品名アクアフェンL)を使用する場合この薬剤については、症状が軽く本病かどうか不明の場合に使用して下さい。
薬量は、1日につき魚体重1㎏当たり0.5ミリリットルを通常投与する餌量の80~50%の餌量に吸着させるが、薬量が少ない場合には、餌量の10%程度になるようにフードオイルや家庭用のサラダオイルで希釈し、餌に均一に吸着させる。1日分を前日に作って翌日投与することが望ましい。5日間投与する。
[飼育尾数10尾、平均体重1㎏、1日当たりの通常の給餌量200gの場合の投薬例]
1日当たりの薬量の算出法
総魚体重=飼育尾数×平均体重(㎏)=10×1=10㎏
薬 量=総魚体重(㎏)×0.5(ミリリットル)=5(ミリリットル)
1日当たりの餌量は通常の50%とすると…100g
希釈するオイルの量=餌量の10%-薬量=100×0.1-5(ミリリットル)=10-5=5(ミリリットル)
以上の計算から5ミリリットルのオイルに5ミリリットルのアクアフェンLを加えて撹拌、希釈したものを100gの餌に吸着、浸透させる。