病気の種類と治療方法

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(仮称)浮腫症・ローソク病

発生状況
昭和49年にそれまでの魚病にはない新たな魚病として確認されて以来、 毎年梅雨期に集中してニシキゴイ稚魚に限り発生している。 年により、地域によりその被害は異なるが、各地で発生している。
症状
突発的に、池の中の全ての魚が同時に発病し、その後2~3日で死滅によって終息する急性の病気。
病魚は遊泳を停止し、一斉に水面下に浮上し、平衡感覚が喪失する。 形体的には体のむくみや眼球のおちこみ、その他体表の出血・まつかさなども見られることもあるが、 必ずしもこれらの症状が併うものではない。
病理組織学的にはエラの病変が顕著である。エラの上皮が著しく肥厚し、エラの毛細血管を圧迫し血液が流れにくくなり、循環障害となる。 また、エラの大切な働きである塩類の吸収・排出機能もマヒしている。
原因
断定はできないが、病魚のエラからウイルスが見つかり、これによるものと考えている。
診断
梅雨期に当歳魚が水面下に浮上し、注・排水口付近に集まり始めたら本病と考えなくてはならない。
対策
病魚は低ナトリウム症と低塩化物症になっているので、早急に食塩浴(5Kg/t)でこれらを補給してやらなけらばならない。
病気の発生を未然に防ぐ確実な方法は今のところ無い。
{現在この病気の発現は1つではなく、以前からの食塩浴が非常に効果的なタイプと病気の進行がやや緩慢で食塩浴では完全に対処できないタイプがあり、 食塩の濃度も6~7Kg/tと増量されている。}

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